人とビジネスのいきいきをデザインする

太平洋精工株式会社 様

ビジョン策定から、人事制度改定・教育制度刷新・新卒採用の強化まで。
それは社員一人ひとりが「こうありたい」と願う将来像を模索し、
共有することから始まった。

  • ビジョン・ミッション策定
  • 人材育成・組織開発
  • 人事制度の策定・運用
  • 新卒採用
  • B2Bマーケティング
太平洋精工株式会社

カンパニープロフィール

1961年設立。自動車専用のヒューズの開発・製造、精密金属プレス加工・金型製作を事業としています。自動車専用ヒューズの生産では、世界トップクラスのシェアを獲得。2014年には、経済産業省の選定する「グローバルニッチトップ企業100選」に選出されました。2018年9月には本社新社屋の竣工も予定し、ますますの飛躍が期待されています。

事例の概要

会社設立50周年を機に、次の50年に向けて新たな出発をしたい。社内で高まる機運を受け、太平洋精工株式会社様では人事の複数の分野で改善業務を計画し始めました。
人事、教育、新卒採用、分野ごとにパートナー選定や改善内容の計画が行われる中、タンタビーバは「より本質的なところから、未来を考えませんか」と投げかけます。その結果、ビジョン策定から各分野の業務まで、一括でご依頼を受けることとなりました。
依頼の背景、選定の理由、そして併走している現在の実感値などを、進行形も交えて語っていただきました。

インタビューのご協力

  • 太平洋精工株式会社 様  執行役員 マネジメント推進部門  部門長  企画管理部門 管理部長  小川 茂彦さん
  • 太平洋精工株式会社 様  企画管理部門  管理部  管理課 課長  猪野間 巧さん
  • 太平洋精工株式会社 様  企画管理部門  管理課  児玉 彬さん
  • これからの太平洋精工を創る

    小川 茂彦

    これまでの50年、これからの50年。

    そもそも、御社にはどういった課題や背景があったのでしょうか。

    小川さん:きっかけは2011年の設立50周年イベントです。過去を振り返り、さて次の50年、どうしていくの?というタイミング。最も問題だとされていたのは、チャレンジしない、リスクを取らないという社内の雰囲気です。それで今後50年やっていけるのか?という危機感が、経営幹部の中に出てきていました。
    業績は順調です。ゆえに、そこに安住してしまう。なぜ変えないといけないのか?という意識。企業風土、社風、そういったところで、残すべきところは残し、変えるべきは変える。そこを真剣に考えねば、という動きが出てきました。

    具体的に、何をどう変えなければいけない、という話になっていったのでしょうか。

    小川さん:以前から伝わる、創業の精神、行動指針は、親会社であった太平洋工業からの分社前に、創業者が作ったものでした。太平洋精工としてのオリジナリティはありません。今後50年を考えたときに、我々独自のよりどころが要るのではないかと、強く考えました。

    タンタビーバは「全部やります」と手を挙げた。

    とはいえ、実際には、「創業の精神、行動指針」などの刷新については、外部委託は考えず、人事制度、教育、新卒採用、各分野を個別にコンペされようとしていたのですよね。

    小川:はい。当初は、自社で考えようとしていました。人事系の各業務を個別に各社に相談していたところ、「コアになるVMV(ビジョン・ミッション・バリュー)を明確に定め、そこから人事制度や教育を定めていくのがよいということをはっきりと打ち出したのがタンタビーバでした。それを前提として3分野全てを統合したかたちでコンペ参加したのも、タンタビーバだけです。

    「あなたは、10年先のPECの姿をイメージしたことがありますか?」

    各制度を改定する前に、まずはVMVの策定から着手したのですよね。進めていく中で印象に残っていることはありますか?

    猪野間さん:社員が当社の何をスゴいと感じているのか、その対話によって発見した内部資産を用い、将来何をやっていきたいのか。それを考えられる場(ワークショップ)を持てたのが良かったです。もっと個人を大切にし、カラフルな個性を認めていく。そういう会社になって欲しいという社員の想いを感じました。
    またその時はじめて、部署や役職、勤務地の垣根を超えた仲間と腹を割ってディスカッションすることができました。改めて、当社にはいろんな個性や能力を持った社員がいるのだと認識できました。

    小川さん:オーナー会社なので、事業運営にはどうしてもトップの意向が強く反映されてしまいます。しかしこれからは、社員一人ひとりがありたい姿をイメージする必要があります。そういったものをVMVに落とし込んでいきました。

    今回作成した「ビジョンブック」の冒頭に、「あなたは、10年先のPECの姿をイメージしたことがありますか?」と書いてあります。今までは言い出せなかったこの問いを正面から発し、我々の志、使命、行動規範を具体化して共有できるようになったのは良かったです。

    ここからは、分野別にお尋ねします。

  • 人事制度

    モチベーションアップと評価の適正化を目指して。

    人事制度に関する、主な課題感は何だったのでしょうか。

    猪野間さん:モチベーションアップと評価の適正化が大きな課題でした。 10年前に導入した制度の運用を続けた結果、現在は給料の上昇が頭打ちになっている社員がいて、これをどうやって解決しようというのが悩みでした。また、評価についても、評価分布に基づく相対評価であり、「分布に基づきこの評価です」と言われても納得感が薄いものです。

    人事にとどまらない、タンタビーバの踏み込みが良かった。

    どうやって進んでいったのでしょうか?

    猪野間さん:今回タンタビーバのパートナーとして、塗茂さん(株式会社ティースタイル・コンサルティング代表取締役 塗茂克也氏)をご紹介いただきました。書籍も出しておられ、知見と実績という点でまずは信頼し、安心して仕事を始めることができました。
    まず、当社の課題感を丁寧にヒアリングしていただき、例えば岐阜県の同種企業の給与水準なども引用しながら、最適な制度というものを検討・提案していただきました。
    新制度は、成果主義一本から、成果主義プラス年功序列というかたちに変わりました。給料の頭打ち問題については、定年までに少しずつでもあがるというかたちになり、喜んでもらっています。また、評価については、絶対評価としました。ただ、本番はこれからです。2017年4月から、制度を並行稼働させる予定なので、新制度にしてよかった、評価も適正になった、と言ってもらえるようにしないと (笑)。

    小川さん:前回の制度設計依頼先企業は、人事部門のみとのコミュニケーションに留まり、それ以上は踏み込んで来られませんでした。今回タンタビーバは、トップへの説明、役員・課長クラスへの説明を改定プロセスの中に予め取り入れ、立ち会ってくれたことも良かったです。

  • 教育

    教育

    現場の課題を、実践的に解消する。

    どんな教育体系へと変わったのですか?

    猪野間さん:かつては外部の提携先に、社員が受講しに出かけるという時代もありました。正直な話、研修の日は1日、息抜きで…というような面も。タンタビーバの研修は、社内の重要なテーマや実課題に基づいて階層別に実施しようというもの。外部研修とは少し違いました。課長層から広げ、いまはその下の若手にも行っています。チームビルディングや、評価者研修などですね。

    消極的な参加者が、いつの間にか前のめりに。

    実際の研修の様子を教えてください。

    猪野間さん:先日、若手社員対象の研修がひと段落しましたので、その様子を。今回の研修の目的は、VMVを自分ごと化するということ。そのために設定されたミッションは、会社の魅力を約8分の動画にまとめるというものでした。
    参加のきっかけは、一部自薦の社員もいましたが、大半は上司からの勧めです。そのため、「こういう研修は嫌だ、やりたくない」というあからさまな態度で臨む社員もいました。最初は、チームをリードしようとする社員が他のメンバーに意見を求めた時でも、反応がすぐに出てこないという場面も見られました。
    しかし、研修が進むにつれ、各チームに次第に熱が入り、役割分担も徐々にできてきました。アイディアを出す社員、PC作業で実際にかたちにしていく社員など。それを通じて、各自の考えを自由に遠慮なく出しあえる雰囲気が生まれてきたのです。研修時間として設定されている以外の、17時以降などに自主的に集まり遅くまで活動するという光景も見られるようになりました。「もっと良いものを作ろう!」という意欲が湧いてきたのですね。
    当社では通常、こういった研修は、事務所の社員を中心に行っていました。しかし今回の研修の目的は「現場でVMVを体現してもらうこと」です。そこで工場現場の社員からも参加を募りました。両者の参加意欲に差が出てしまわないかが心配でしたが、終わってみると大きく成長したのはむしろ現場の社員だったかもしれません。どのチームの発表も熱のこもった素晴らしいものでした。

    参加者の意識は、実際に大きく変化した。

    実施の前後で、変化は見られましたか?

    変化を象徴するわかりやすい出来事がありました。現在、当社では新工場の建設が進んでいます。それに合わせ、新工場の事務所、会議室、食堂など共通エリアのイメージ作りを社員が行うプロジェクトもスタートさせています。今回の動画制作の研修に参加したメンバーにも呼び掛けたところ、出だしこそ鈍かったものの、その後次々と手が上がり、最終的には受講者の8割が参加してくれることになったのです。みんなの意識が大きく変化した表れと言ってよいでしょう。積極的になり、当社にとっては画期的な変化です。とても嬉しかったですね。

    学んだことを現場で発揮し、範を示して欲しい。

    今後教育研修について望むものは何ですか?

    小川さん:何といってもまずは参加者に、VMVを体現する人になって欲しい。あなたはどこまで理想とする姿に近づけましたか?というのが成果を図る最適な尺度ではないでしょうか。
    また、受講して終わりではなく、実践できることが必要です。研修の成果を現場で発揮できて初めて意味がある。研修で学んだことを、今度は自分が先生となって範を示し、社内に定着させることが理想です。
    人の成長にはいろいろな尺度があり、測り方も難しい。例えば今回は絶対評価を取り入れましたが、良い評価が増えたら、それもひとつの成果かもしれません。そうなるといいなと期待しています。

  • 新卒採用

    新卒採用

    「御社の理念は何ですか?」

    どんな課題があったのでしょうか?

    児玉さん:まず、学生に理念を訊かれたときに何を答えていいかに困っていました。企業理念、労働指針、いろんなものがあり、自分自身が迷っていたのです。
    ほかには、新卒採用への協力について、社内が極めて消極的であったということ。「自分の部署には配属もないから、協力もできない」というような雰囲気も一部にはありました。

    質量ともに最高の結果。来季以降も続けてこそ本物。

    タンタビーバと仕事をしてみてよかったことは?

    児玉さん:外部からの意見として、例えばリクルートサイトの利用など、実施したいと思っていた施策に後押しをもらえたということです。以前利用していましたが、結果が伴っていなかったので利用を止めていました。そこに対して、効果的な使い方や効果を改めて論理的に説明することで、再び利用することが可能になりました。迷っているときに「あなたは正しい」」と言ってくれる。やりたいことを実現するための具体的なアイディアをいただける。それが助かりました。
    他には、採用スケジュールを常に見てくれ、必要なタスクを前もって提示していただき、具体的な考え方やツールを提供してくれたことです。
    また、パンフレットや採用HPの改訂も行いました。パンフレットについては、HPとの内容的・デザイン的なつながりがあり、メッセージがわかりやすく伝わりやすかったので良かったと感じています。HPに関しては、学生さんがとてもよく見ています。特に先輩社員紹介。HPリニューアルの効果は高かったと感じています。

    採用結果についてはどう感じていらっしゃいますか?

    小川さん:今回は質量ともに過去最高レベルに到達したと感じています。児玉さんもがんばって結果を出した。ただ、私の立場から言えば、あとは継続性がカギだと考えます。今年、来年と続けることで、今回のやり方が正しかったということになるよう、続けていきたいです。

    次の50年を、チャレンジに満ちたものにするために。

    今後のみなさんの展望は?

    小川さん:人事制度は会社運営の根幹です。まずは定着させ、安定した運用を行います。もっともっと、チャレンジできる会社にしたいですね。社内の常識が本当に一般の常識なのか、という疑問を常に持ち続けられるように。
    VMVや各種制度というのは、言ってみればソフト面の充実。来年2018年9月に、本社の新社屋が完成します。これは、器、ハード面でソフトを支えるものになります。この両輪が回転しながら支えあうのが当社の将来の姿。そうなるように大きな期待をしています。

    猪野間さん:人事制度はこれからが本番です。並行実施期間はこれから。タンタビーバの協力を引き続き仰ぎつつ、社内の理解浸透とスムーズな運用を目指します。

    児玉さん:採用に関しては、会社内のいろんな人をもっと巻き込んでいきたいですね。以前に比較して、VMVの浸透もあり、部長クラスから「大事なことだから積極的に協力するように」と口添えもいただけるようになりました。育てるのも大事だが、いい人を採ることも大事だという認識は高まっています。今後も、もっと高い成果を出せるように頑張ります。