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理念経営

いきいき組織紹介~株式会社メンバーズ 様
「らしさ」を大切にする企業のいきいき組織づくり【1】メンバーズ「らしさ」の羅針盤~社員の共感を生むミッション、ビジョン

いきいき組織紹介~株式会社メンバーズ 様 「らしさ」を大切にする企業のいきいき組織づくり【1】メンバーズ「らしさ」の羅針盤~社員の共感を生むミッション、ビジョン

(インタビューへのご協力)
株式会社メンバーズ  執行役員 早川 智子さん(画像左側)
株式会社メンバーズ  ピープル&カルチャー本部組織開発室組織開発グループ  グループ長  佐藤 瀬奈さん(画像右側)

【カンパニープロフィール】
「DX現場支援で顧客と共に社会変革をリードする」を掲げ、デジタル人材の伴走による企業へのDX現場支援事業を展開。高い専門スキルを持つデジタル人材が取引先企業のチームの一員として、上位戦略を理解し実行に落とし込みながら、現場での内製によるDX推進を伴走支援し、取引先企業のDX投資のROI最大化に貢献します。1995年設立。東証プライム上場。売上収益(非連結)22,329百万円(2025年3月期)〔IFRS〕、社員数2,931名(2025年9月末時点)。

《ミッション》
“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る

《VISION2030》
日本中のクリエイターの力で、気候変動 ・ 人口減少を中心とした社会課題解決へ貢献し、持続可能社会への変革をリードする

《コアバリュー》
「貢献」「挑戦」「誠実」「仲間」

《経営指針》
「超会社」(「社会への貢献」「社員の幸せ」「会社の発展」の3つを同時に実現)

1.社員数が6年で約3倍(3,000名)に! 急成長企業の魅力に迫る

「DX現場支援で顧客と共に社会変革をリードする」というブランドメッセージを掲げ、デジタル人材の伴走によるDX現場支援事業で急成長を遂げている株式会社メンバーズ様。

メンバーズ様の勢いがよく現れているのが社員数数の推移です。6年前の2019年3月期には1,016名(連結)であったのが、2025年9月末では2,931名と約3倍にまで増加しています。この社員増加の背景には、会社の将来性に加えて、人材を惹きつける組織としての魅力があるのではないかと思われます。

今回、執行役員の早川 智子さん、入社8年目のピープル&カルチャー本部組織開発室組織開発グループ グループ長の佐藤 瀬奈さんの2名にインタビューし、3回に分けて、多くの人材を惹きつけるメンバーズ様の組織としての魅力や、急拡大する組織の人材マネジメントを掘り下げたいと思います。

第1回は、早川さんのお話しを中心に、メンバーズ「らしさ」の羅針盤としてのミッション、ビジョン浸透を紹介します。

2.メンバーズのミッション、ビジョン

メンバーズの経営の最大の特徴といえば、ミッション、ビジョンの重視です。ミッション、ビジョンの実現が経営の基軸となり、人材の採用もミッション、ビジョンへの共感がベースとなります。言い換えると、メンバーズ「らしさ」が凝縮されたミッション、ビジョンが魅力的だからこそ、多くの人材を惹きつけ、大量の新卒採用を実現できているといえるでしょう。

メンバーズでは2014年5月にミッション、ビジョン(VISION2020)を策定し、その実現に努めてきました。そして、2020年5月に次段階の取り組みに向けて、新たにミッション、ビジョン(VISION2030)を策定し、現在その実現に取り組んでいます。

メンバーズのミッション、ビジョン

新ミッションからは「マーケティング」の文字が消えています。これは同社のビジネス領域が「Webマーケティング運用支援」から「デジタル人材の伴走によるDX現場支援事業」へと進化していることを意味します。

また、VISION2020からVISION2030へのアップデートについては、気候変動 、人口減少といった社会課題の解決が明示されている点が特徴的です。加えて、「日本中のクリエイターの力で、」という部分にも注目すべきです。ここには社会課題を自社(のクリエイター)のみで解決しようとするのではなく、社外の人々も巻き込んで一緒に解決に取り組もうとする姿勢が示唆されています。

新ミッション、VISION2030では、「デジタルの力で社会課題を解決する」という点が強調されています。デジタルネイティブかつ社会課題への関心の高いZ世代にとって、「デジタル×社会課題の解決」という組み合わせは共感しやすく、就活の際にも惹きつけられるのではないでしょうか。

※「デジタルネイティブ」
子どもの頃からスマートフォンやSNSが身近な環境で育ち、デジタルツールに慣れ親しんでいる人をさす。

VISION2030では、具体的に着目する社会課題が明示されています。

《VISION2030》
日本中のクリエイターの力で、気候変動 ・ 人口減少を中心とした社会課題解決へ貢献し、持続可能社会への変革をリードする

《着目する社会課題》
・地球温暖化および気候変動による環境変化
・人口減少による年金医療制度破綻、地方衰退による自治体の消滅/財政破綻
人々や企業が自己利益の追求のみではなく将来への希望や社会への参加意識を持ち、
持続可能なより良い未来のために共に協力しあう心豊かな社会の実現に取り組みます。

(出所)株式会社メンバーズ VISION2030
https://www.members.co.jp/company/vision2030

3.VISION2030策定の背景

VISION2020からVISION2030へのアップデートについて、早川さんに説明していただきました。
「VISION2030で目指したものは、企業価値を高めていくためのCSV経営の推進です。この点は基本的にVISION2020から不変です。グローバルに見た場合、社会に対する存在価値を大事にしている、すなわちCSV経営を実践している企業が多く存在します。それと比較して、日本企業はまだまだ遅れていて、そこに取り組まないと将来性はないと感じ、CSV経営をもっと浸透させたいという思いが根底にあります。一方で、世の中の社会課題は無数に存在していますが、メンバーズとして最優先で取り組むべき社会課題に絞ったほうがよいのではと考えました」(早川さん)
※CSV経営
CSVとは「Creating Shared Value」の略であり、社会課題の解決とビジネス目標の達成を同時に実現させる経営をさす。

CSV経営

VISION2030で着目した社会課題の一つが、地球温暖化および気候変動です。
「気候変動は多くの人が認識している社会課題ですが、一方で気候変動とデジタル系業種との距離感も感じていました。たとえば、今年の夏も猛暑でしたが、何も対策を講じないで、このまま生きていけるのかという問題意識があります。生き方、働き方、仕事の仕方も含めて、状況を変えていくために何かに取り組まなければ、企業の価値はないし、そこを目指したいと思っています」(早川さん)

また、VISION2030は、メンバーズ1社での推進では実現できないと言います。
「ただし、気候変動問題の解決をメンバーズ1社だけで成し遂げられるとは思っていないので、この考え方に賛同してくれる企業を増やしながら、推進していきたいと思っています」(早川さん)

4.VISION2030策定のヒントとなったベンチマーク・視察

VISION2030策定のプロセスについての話を伺っていて興味深かったのが、メンバーズの経営陣が会議室での議論のみでビジョンを策定したのではなく、ヒントを求めて北欧のベンチマーク・視察を行っていた点です。

(1)北欧のベンチマーク・視察

前述のように、メンバーズでは欧米と比較して、日本企業のCSV経営が遅れている点に問題意識を持っています。それに関連して、CSV経営の先進国としての北欧(フィンランド、スウェーデン、デンマークなど)に注目し、ベンチマークや視察を行いました。

国際的な研究組織「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」(SDSN)が世界各国のSDGsの達成度を評価する『Sustainable Development Report』の2025年版においても、フィンランド、スウェーデン、デンマークがトップ3を占めています。

北欧のどのような点に注目したのかを説明してもらいました。
「北欧の人たちのなかでは、仕事をするうえでどのように社会貢献するのか、ということが必ず紐づいていて、その観点からキャリアデザインやスキルアップも検討されます。そういう実態や、その背景にあるものに経営陣が興味を持ち、社長や役員が視察しました。たとえば、どのような学校教育をしているのか、企業のなかでどのような働き方をしているのか、キャリアデザインのなかでどのようなリスキリングをしているのか、といったことを現地で実際に目にしてきました」(早川さん)

「北欧と日本で明らかに違うのは、ジョブディスクリプション(職務記述書)でその仕事に必要なスキルや経歴が明確化されている点です」(早川さん)
北欧ではジョブ型雇用が標準であり、ジョブディスクリプション(職務記述書)に合致するスキル・経験がなければ書類選考を突破できません。したがって、希望する職務に就くためには、ジョブディスクリプション(職務記述書)を満たすためにスキルアップやリスキリングが必要になります。

「そこで、仕事と社会貢献の紐づけをどうやっているのか、スキルアップやリスキリングのために学び続ける意欲をどうやって維持させているのかを知ることができれば、メンバーズの考え方に一番近いんじゃないかということになりました」(早川さん)

北欧人の働き方の一例を紹介すると、2023年11月に『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』(針貝 有佳 著、PHP研究所)という書籍が発刊されています。同書によれば、デンマーク人は「プライベートが充実しているからこそ、良い仕事ができる」と考えているため、仕事よりもプライベートや家族の優先順位が高いそうです。また、ほとんどの人が「自身の成長のために仕事をしている」と考えているようです

北欧のベンチマーク・視察
  • 仕事と社会貢献が紐づいている
  • ジョブディスクリプションに仕事に必要なスキル・経験を明示
  • 自分の成長のために仕事をする(スキルアップ、リスキリングに影響)

(2)体験滞在、ベンチマーク視察のVISION2030への反映

体験滞在、ベンチマーク・視察の経験が、VISION2030のどこに反映されているのか、早川さんに解説してもらいました。
「メンバーズの社員全員が社会課題を解決できるようなクリエイターとして活躍していくという視点は、北欧のベンチマーク・視察の成果です。彼らには何かを生み出すためには、その先に社会課題の解決があるという考え方があり、そのうえでコ・クリエイション(共創)していくというアプローチをとります。ITであれば、プロジェクトマネジメントで進捗管理していくだけでは、おそらく市場価値がなくなっていくので、いわゆるディレクターの人たちもクリエイション(社会課題解決)できるようにしようというものです」(早川さん)

「また、VISION2030に『日本中のクリエイターの力で』という部分は、元々は入っていませんでした。しかしながら、社会課題を解決していくにあたっては、メンバーズ以外の日本中の人たちとクリエイションしていく必要があるということになり、加えられました。これも体験滞在やベンチマークの成果ですね」(早川さん)

体験滞在、ベンチマーク視察のVISION2030への反映

自社クリエイターのみならず、「日本中のクリエイターの力」も巻き込んで社会課題の解決を図るスタンスは、「コレクティブインパクト」の考え方にも通じるものがあると思います。
※「コレクティブインパクト」
特定の社会課題に対して、一つの組織の力で解決しようとするのではなく、行政、企業、NPO、基金、市民などがセクターを越え、互いに強みやノウハウを持ち寄って解決を図るアプローチをさす。2011年に『スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー(SSIR)』で提唱された。

単独組織の枠を超えて解決を図る点は共通している

以上、第1回ではメンバーズの経営の中核をなすミッション、ビジョンを紹介しました。ミッション、ビジョンの内容や策定プロセスのなかにメンバーズ「らしさ」を感じると同時に、一企業の枠を超えて、社会のあり方、会社という組織のあり方、これからの働き方を問う姿勢は、読む人にかなりのインパクトを与えたのではないかと思います。第2回では、社員の視点からメンバーズでの働き方、メンバーズで働く魅力を紹介したいと思います。

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