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部門間連携

部門間連携×いきいき(2)~部門を超えた交流の活発化

部門間連携による組織の活性化を述べる3回シリーズ。第2回は部門間連携を3つのステージに分け、そのステージ1となる「部門を超えた交流の活発化」の具体的な取り組みを紹介します。

部門間連携の具体的な取り組みを、3つのステージに分けて整理したいと思います。

(1)ステージ1:部門を超えた交流の活発化

セクショナリズムに陥っている組織が部門間連携に取り組むためには、まず部門間の壁を取っ払う必要があります。そのためには部門を超えた交流の場を設けることが有効です。部門を超えた交流を活発化させることで、他部門の知り合いが増え、他部門の業務への理解が深まります。

(2)ステージ2:ダイヤモンド型の部門間連携

部門間の相互交流・相互理解が深まれば、第1回で述べたような情報共有度の高い「ダイヤモンド型」での部門間連携に取り組みやすくなります。それによって、お互いが立場の違いを乗り越えた生産性の高い連携を期待できます。

(3)ステージ3:部門横断的なコラボレーション

部門間連携をさらに推し進めると、部門横断的なコラボレーションを活かした組織運営が可能となります。さらに部門別の縦割り組織を廃止し、全従業員が経営参加するフラット型の組織運営を選択する企業も現われています。

2.「ステージ1:部門を超えた交流の活発化」事例

「1.部門間連携の3ステージ」で述べたように、部門間連携の土台となるのが、部門間の相互交流・相互理解です。そのために部門を超えた交流の場を意図的に設けることが必要です。具体的な事例を4つ紹介します。

事例1:部門を超えた社内研修会

A社(従業員数約180名)は、システム機器やメカトロニクス機器等の開発・生産を行うメーカーです。A社では、定期的に部門を超えた社内研修会を実施しています。例えば、生産管理部門の社員が講師となり、営業部門の社員に対して、自部門の業務内容をレクチャーするといった研修です。こういった研修会の実施により、他部署の業務内容への理解度が高まると同時に、部署間の垣根が低くなりました。次のステージとして、部門間の風通しの良さを部門間連携の強化や業務効率化の実現、さらには複数部門の仕事ができるような人材の育成にチャレンジしています。

事例2:合同昼礼と5分間ミーティング

加工食品製造業B社(従業員数約580名※パート含む)は、それまで月1回の昼礼を本社、工場で別々に行っていました。しかしながら、営業、間接部門、工場との情報共有とコミュニケーションをとる場が必要であると考え、昼礼を合同で行うように改めました。合同昼礼では、経営者の話に続き、「5分間ミーティング」と称して、「普段会話したことがない社員と5分間話してみる」という交流機会を設けています。普段の業務の中であまり接点のない社員同士が交流を持つことで、社員同士の関係性が高まっていると、経営者・社員の双方が実感しています。

事例3:部門を超えたメンバーで若手社員と交流

惣菜製造業C社(従業員数約170名)では、コミュニケーション不足によりベテラン社員と若手社員が挨拶をする程度の関係性になっていることが課題でした。そこで各部門の主任職以上が自発的に「共育委員会」を発足させ、若手社員を含めた懇親会を勤務時間内に開催することとしました。懇親会は、月1回程度、終業時刻を1時間繰り上げて開催し、仕事の悩み相談やプライベートな話も含めて、ベテランと若手の交流の場となっています。懇親会を経て、以前は挨拶程度だったベテランと若手の間でさまざまな雑談が行われるようになっています。

C社の事例は、部門を超えた交流というより世代間交流の場と映るかもしれません。確かに、懇親会の直接的な目的はベテランと若手という世代間の交流の活発化です。一方で、部門横断的なメンバーで「共育委員会」を立ち上げ、みんなでに若手を育成する(=共育)ことを目指して、交流の場を設けるという意味では、部門を超えた交流という要素も含んだ取り組みであると捉えることができます。

事例4:社内SNSで社内コミュニケーションを活性化

B to C向けITサービスを提供するD社では、社内コミュニケーションを活性化させるために、電子メールよりも手軽に使うことができ、導入も比較的簡単な社内SNSを導入しています。特に職種や部門の垣根を超えたコミュニケーションの活発化やコラボレーションの発生を意図して、社員であれば誰でも参加できるオープンなチャンネル(グループ)の作成・活用を推進しました。結果として、社内SNSによるコミュニケーションの2/3以上がオープンチャンネルの場で行われ、部門の垣根を超えた情報交換が活発化しています。

事例4の社内SNSのようなオンライン・ツールを活用すれば、効率的に部門を超えた交流が可能です。一方で、事例1、2、3のような対面での交流には、その場に一緒による交流ならではの価値があります。その意味では、それぞれのメリット、デメリットを踏まえて、対面とオンラインの交流をうまく組み合わせていくことが求められるのではないでしょうか。

以上、第2回では部門間連携を3つのステージに分け、そのステージ1となる「部門を超えた交流の活発化」の具体的な取り組みを紹介しました。第3回ではステージ2「バタフライ型の部門間連携」、ステージ3「部門横断的なコラボレーション」の具体的な取り組みを紹介します。

(著者:タンタビーバ パートナー 園田 東白)

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