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ダイバーシティ

ダイバーシティ×いきいき(1)~多様な個を活かす経営(後半)

「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進」(※)が多くの企業で叫ばれています。一方で、その取り組みが表層的なものとなり、真の意味でのD&Iになっていないケースも数多く見られます。4回シリーズでいきいき組織づくりに資するD&Iについて、述べたいと思います。
※近年はD&Iに公正性・公平性を意味する「エクイティ(Equity)」を加えた、「DEI」を掲げる企業も増えています。

3.ダイバーシティ経営を成果に結びつけるために

3-1 ダイバーシティ経営に必要な「3拍子」

経済産業省によるリーフレット「~3拍子で取り組む~多様な人材の活躍を実現するために」(2021年3月公表)では、多様な人材の活躍に向けた取組を進め、それらを実現していくにあたっては、「経営者の取り組み(※)」「人事管理制度の整備」「現場管理職の取り組み(※)」の3拍子を揃えることが重要であると述べています。
※経済産業省資料のような公用文では「取組」と表記されますが、ここでは一般的な表記である「取り組み」を用いました。

(出所)経済産業省リーフレット「~3拍子で取り組む~多様な人材の活躍を実現するために」(2021年3月)

前述の経済産業省「多様な人材の確保と育成に必要な人材マネジメントに関する調査」(2020年10~11月)でも、「3拍子」の揃った中堅・中小企業は、そうでない企業と比べて経営成果が良いことが明らかになっています。

3-2 ダイバーシティ経営の成果創出プロセス

「経営者の取り組み」「人事管理制度の整備」「現場管理職の取り組み」の3拍子も含めて、ダイバーシティ経営の成果創出プロセスを示すと以下のようになります。

しかし、これは短期でできるものではありません。特に②の「経営者の取組」が「人事管理制度の整備」や「現場管理職の取組」に反映され浸透するまでには②→③→②を繰り返していく過程で3拍子がそろうようになり、多様な人材が尊重され、その独自性を発揮できる「組織風土=インクルージョン」が醸成され成果につながっていくと言えます。

3-3 ダイバーシティ経営の4つの経営成果

経済産業省のダイバーシティ経営関連資料では、ダイバーシティ経営による経営成果として、以下の4つを挙げています。

経営成果というと、①プロダクト・イノベーション、②プロセス・イノベーションといった業績に直結する直接的成果(財務的価値)をイメージするかもしれませんが、③外的評価の向上、④職場内効果といった間接的成果(非財務的価値)もあります。いきいき組織づくりという観点からダイバーシティ経営の有効性を検討するのであれば、③、④に着目すると説明しやすくなるはずです。③は優秀な人材獲得に、④はエンゲージメントの向上に寄与します。

第1回では、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の考え方を整理した上で、中堅・中小企業における「ダイバーシティ経営」の必要性について述べました。ダイバーシティ経営が経営成果に結びつくことを認識し、積極的に取り組むことが期待されます。

(著者:タンタビーバ パートナー 園田 東白)

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